塾長のつぶやき…Vol.15 「反抗期って、私のせい…?」
最近、あるお母さんがこんなことをつぶやいていました。
「あの子、自分にだけすごく冷たいんです」
「ちょっと言っただけで、急にキレたりして」
「どう関わっていいのか、分からなくなってきて…」
そんなふうに自分を責めてしまうお母さん、
少なくありません。
でも、どうか忘れないでほしいのです。
子どもの反抗は、“信頼している相手”にしか出せない感情
だということを。
■ なぜ“母親にだけ”きつく当たるのか
中2の反抗期。
一見、理不尽な言動が多くなります。
- 無視する
- あからさまに嫌な顔をする
- たった一言に、烈火のごとく怒り出す
つらいですよね。
腹も立つし、
何より**「なんで私にだけ…?」**と思ってしまう。
でも実はそれ、
子どもなりのSOSの出し方なのです。
■ 子どもは“外ではいい子”。だからこそ…
よくあるのが、
「先生や友達の前では普通。むしろいい子」
「でも、家ではすごく扱いにくい」
というケース。
その理由は、至ってシンプル。
外で我慢している分、
家でだけ、感情を素直に出しているということ。
特に母親は、
いちばん心の距離が近い存在。
だからこそ、
ぶつけられる。
つまり、
“母親だからこそ出せる甘え”でもあるんです。
■ 「反抗期」は、“自立”への準備運動
中2の子どもは、
- 自分で考えたい
- 指図されたくない
- でも、どうしたらいいかはよく分かっていない
そんな“ねじれた感情”を抱えています。
この葛藤が、態度として表れる。
それが、いわゆる「反抗期」です。
だからといって、
親がガマンばかりする必要はありません。
大事なのは、
感情ではなく「意図」に目を向けること。
■ じゃあ、どうすればいいの?
もし反発されたら、
まずは言い返さず、
こう声をかけてみてください。
「そうなんだね」
「今、そう感じてるんだね」
それだけで、
子どもはちょっと落ち着きます。
もちろん、
お母さんのお腹の中は、怒り心頭でしょう。
でも、
「自分の気持ちを否定されなかった」
――この経験は、あとで必ず効いてきます。
■ 「あの子、私にだけ冷たい」の正体
母親にだけ当たる。
それは、
一番わかってほしい相手が「あなた」だから。
言い換えれば、
“最終的に受け止めてくれる”と信じてるから、
ぶつけてくる。
母親の愛情を、
子どもはちゃんと知っている。
だからこそ、
雑に扱っても許されると思ってしまう。
理不尽かもしれません。
でも、
そういう「信頼のかたち」もあるということですね。
少し離れて、
でもずっとそばにいてあげてください。
きっと数年後、
「お母さん、あの時はごめんね」と
言ってくれる日が来ますから。