塾長のつぶやき…Vol.16 「目標が子を育てる」は本当。でも、それは“覚悟”がセットになったときだけ。
保護者と塾の会話あるある。
保護者 「〇〇高校って、いいですよね?」
塾 「そうですね。ただ、今の状況だと、だいぶ距離感がありますね」
保護者 「本人はそこに行きたいって言ってるんですけど…」
塾 「それなら“今までと同じ勉強”では届かないですね」
保護者 「ですよね…」ーーで、終わってしまう。
目標って、
ただ掲げれば叶うものではありません。
むしろ**
「掲げた瞬間から、生活も意識も変わる」覚悟が必要**
なんです。
■ 「目標」は魔法じゃない。現実は甘くない。
高い目標を持つことは素晴らしい。
けれどそれは、
これまでの自分を“乗り越えないと届かない場所”に手を伸ばす
ということ。
つまり、
- 今よりもずっと長く机に向かう覚悟
- スマホや遊びと、距離を取る決断
- わからない問題に、食らいつき続ける意志
これが全部、“目標を持つ”ということの中身なんです。
単に「〇〇高校、かっこいいから!」ではダメ。
“理想を語るだけ”なら、誰でもできます。
■ 意識が変わると、行動が変わる。
行動が変わると、顔つきが変わる。
面白いもので、
「この学校に行きたい」と本気で思い始めた子は、
半月もあれば雰囲気が変わります。
- 自習に来る頻度が高くなる
- 宿題のクオリティが上がる
- 質問する回数が増える
そして、何より顔、目つきが変わるんです。
「やらされてる」から「やるしかない」へ、
「仕方なく」から「自分で決めた」へ。
この変化が起きたとき、
子どもは本当に“目標に育てられている”状態になります。
■ 親ができることは、“距離感のある応援”
この時期、親はどうしても言いたくなるものです。
「今のままじゃ無理よ」
「スマホいじってる暇あるの?」
「寝ている場合じゃないでしょ?」
…でも、これは逆効果な場合もあります。
目標を持ち始めた子は、
自分でも分かっています。
「まだ足りない」「もっとやらなきゃ」って。
だから親にできるのは、
見守ることと、踏ん張れる環境を整えてあげること。
そして、
ときどきでいいんです。
「本気なんだね」
「応援してるよ」と、
認めてあげてください。
■ 「目標が子を育てる」は、“行動の変化”とセットで語る言葉。
ただ“夢を見る”だけでは、目標は子を育てません。
夢を「現実に引きずり降ろして」、
今日の行動を変えて、
今この1ページに、1問に集中する。
その繰り返しの先に、
子どもは目標を通して、
自分で育っていくと私は考えます。