塾長のつぶやき…Vol.10 「まだ志望校が決まらない…」という声の裏にあるもの
中2の夏。
そろそろ「志望校」を意識し始めなければ…
という時期です。
でも実際は、
こんな声をよく耳にします。
「うちの子、まだ志望校が決まらないんです」
「なんとなく“〇〇高校かな~”とは言うけど、本気じゃなさそうで…」
保護者の方の焦る気持ち、すごくよくわかります。
なにせ、志望校が決まらないと
▼勉強の目標がはっきりしない
▼どこを受けるかによって、内申点対策も変わってくる
▼塾側としても“戦略”が立てづらい
▼そして、親としての不安だけが募る
――こんな感じになりますよね。
でも、
ちょっと冷静に考えてみてほしいのです。
■「決まらない」のではなく「決められない」理由
お子さんが志望校を決められない背景には、
「意欲がない」「真剣じゃない」以外の
理由がある場合も多いです。
たとえば──
- 自分の実力と向き合うのが怖い
- 「〇〇高校行きたい」と言って、
ダメだったときのことを想像してしまう - 周囲の子と比べて、自信をなくしている
- 「これから伸びればワンチャンある」と
思いたくて、現実逃避している - 「この高校に行きたい!」と思える情報が
全く足りていない
つまり、
「志望校が決まらない=やる気がない」
とばかりも言い切れないということです。
むしろ、
「ちゃんと決めなきゃ」と思ってる子ほど、
慎重になっていることも多かったりします。
だからこそ、
親としては「志望校どうするの?」と
責めるのではなく、
“対話”のチャンスに変えてほしいのです。
■じゃあ、どう接すればいい?
ここでおすすめしたいのは、
「どこを目指すか」より
「どういう高校生活を送りたいか」を聞くこと。
・制服が可愛い学校がいい?
・自転車通学が楽しい方がいい?
・部活を頑張りたい?それとも勉強中心?
・大学受験を見据えた進学校がいい?
こうした話から糸口が見えること、
意外と多いんです。
高校選びに「これが正解」というのはありません。
でも、
「これが自分に合いそう」と感じる一歩は、
親との会話から生まれることが多いと思います。
■塾の役割は「情報」と「現実」の提供
そして、
最終的に志望校を決めるためには、
やはり情報と現実の照らし合わせが必要です。
私は、偏差値だけでなく、
・その学校の雰囲気
・進学実績
・先輩のリアルな声
など、ネットでは拾えない情報もお伝えしています。
迷っている子には、
志望校別の模試受験や学校見学の勧めも含めて、
少しずつ進路の輪郭を描いていきます。
焦らず、
でものんびりもしすぎず。
「今、悩んでいる」こと自体が
大切な前進と考えてみては如何でしょうか。
保護者の皆さまへ
志望校が決まらない今だからこそ、
「話を聞く」
「一緒に悩む」
「必要な情報を与える」
この3つのスタンスを、意識してみてください。
そして、
私にも遠慮なくご相談ください。
最終的に決めるのはお子様ですが、
導くのは“大人の言葉”です。
その言葉を一緒に考えていけたら、
と思っています。